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ウクライナは、果敢にも、新しい憲法にオンブズマンの条項を入れることによって前進しているが、財源不足という困難を抱えており、オンブズマン職の設立の支援を求めて国際社会に訴えている。憲法にオンブズマンの条項を設けることの利点の一つは、たとえ十分に表現されてないとしても、議会の手段のなかではしばしば比較的司法的な組織であると思われるようなものに人間化humanising、および文明化civilisingという外観が付け加えられることである。

 

ブルガリア、チェコでは、オンブズマンを設置するための立法を準備中であり、エストニア、ラトヴィア、スロヴァキア共和国においては、オンブズマンについての議論、あるいは〔オンブズマンを設置するための〕準備作業が見られる。それとは対照的に、ラトヴィアにおいては、オンブズマンよりも人権局のほうが、一般国民に理解されているようであった。

また、ヨーロッパにおいては、ベルギー(法律は可決された)、イタリア、スイスが他のヨーロッパの国、地域、州とは対照的にこれから国のオンブズマンを任命し、あるいは創設しようとしている。

 

1−8.

アジア地域では、パキスタンのモータシブMohtasib(オンブズマン)である、アブドウール・シャクルール・サラムAbdul Shakurul Salam判事の主催で、1996年4月15−16日に開催されたアジアオンブズマン会議においてかなりの進歩があった。こうした進歩は、香港の行政苦情コミッショナーである、アンドリュー・ソーAndrew Soによって1995年10月香港で開催された第15回オーストラリア・太平洋オンブズマン会議及び国際シンポジウムに続いて生じており、またそれに触発されたものである。もちろん、アジアオンブズマン協会が設立されるのを見るのは喜ばしい。

 

インドが国のオンブズマンを設立する過程にあるということ、そしてタイのオンブズマンの設立のために法律はすでに適切な時期にあるということを聞くのもまた喜ばしいことである。

 

1−9.

自分自身の地域、すなわちオーストラリア・太平洋地域では、太平洋諸国のオンブズマンの役職者のなかには、主要な関心が、財源と予算であるように見えるものもいる。また、会議を通じて、国際的にオンブズマンとの接触を拡げ、自らの役職の専門的な発展に没頭する機会もほとんどなく、役職の主要な仕事を遂行するにも比較的厳しい予算だけしかないオンブズマンもいる。これらの問題は、一般的な経済状況がよくないような国々では容易には解決されないのである。

 

多くのオーストラリア人にとって、訴訟の費用は、裁判を求めるのを躊躇させている。しかし、オンブズマンの扉は、その管轄権の範囲内で苦情を受け付けるために広く開かれたままであるべきであるという理由から一層のこと、オンブズマンは、わずかな費用でより多くのmore with less

 

 

 

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